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卯月君、最近頑張っているそうじゃないか。

08:47


けたたましい携帯の目覚ましによってたたき起こされた私は、
清々しいという言葉と無縁であろう、鬱屈とした雲と朝の雨が降る外を確認し、
やれやれといった感じで布団から這い出る。

額に手を当てつつ、ふらふらとした足取りで向かった冷蔵庫で、
自分のスイッチを切り替えようとおもむろに取り出す、無果汁のオレンジ炭酸。
頭上に掲げるそのペットボトルの中身がほとんどないことを確認して、冷蔵庫の前でラッパ飲みを開始する。

冷蔵庫の冷気と炭酸の冷たさが、現代人の内と外を否応なく冷やしきった後、ようやく冷蔵庫のドアを閉めた私は、
本当にエコと無縁の生活を送っているなと思いつつ、
ふと、無駄という言葉から昨日パソコンをつけたままだったことを思い出す。

トースターに食パンをぶち込みつつ、デスクの前に座る私は
中途半端に作業していたウィンドウを片っ端から保存終了させてゆく。
画面下のタスクバーがまっさらになったことを確認し、満足した私は、
ついでにお気に入りサイトを適度に回ろうと思い立つ。



そして、一番上にあるwander gardenという項目をクリックした私は、愕然とした。
最新の記事のタイトルが、予想していたものと違っていたのだ。



急いで追記部分を開くも、本文のメインとなる記事の部分は真っ白。
まるでそこだけごっそりと怪盗か何かに盗まれたような、そんな錯覚を受ける。
頭を振り、まだ覚醒しきっていない思考回路で必死に考える。
私は前日、この記事を書き上げていたはずだ。では何故本文だけ表示されていないのか―――

…理由は簡単だった。
要するに、導入部を書いただけの下書き記事と本文まで書き上げた下書き記事、
それを取り違えて、公開ボタンを押していただけだったのだった。初歩的なミスである。
だがしかし、問題はそこではない。
問題となるべき部分は、前日の午後2時から現在に至るまで、
本文が全くない記事を公開し続けたことにある。

更新頻度が低いwander gardenにおいて、最新記事というものは地味に重要な位置づけがある。
だがその最新記事で大仰な前振りだけ読ませたあげく、結局本文は何も書かれていなかったとしたら、
数少ない読者の方々はいったいどう思うだろうか。


熱湯に近いシャワーを頭から浴びながら、私は必死に対応策を巡らせる。
何食わぬ顔で修正しておくべきだろうか。それともタイトルを修正版と変更しようか。
もしくは、悪びれた感も出さず『本文は心の清い人だけ見れました』などとすべきか。
いや、それでは生ぬるい。しっかりとしたお詫び文を別途記事として書かなければならないのではなかろうか。
むしろ、経済産業省にリコールを申請すべきか。もしくはCMを流して回収率を上げるべきではないだろうか。

いろいろ考えたあげく、キュッとシャワーの蛇口をひねったときに、ふとひらめいたアイデア。

「そうだ、これすらネタにしてしまえばいいのか」






ゆりかごに揺られるように、小鳥のさえずる音によって目を覚ました私は、
清々しい朝の日差しを感じながら、気持ちよくその場で伸びをする。
春眠暁を覚えずというが、こんな清々しい朝に惰眠を貪る輩が果たしているものなのだろうか、と考えつつ、
快適な睡眠を与えてくれたフカフカのベッドから起き上がる。

心地よい朝の空気をいっぱいに吸い込みながら、キッチンへと向かう。
クーラーの中に用意されているオレンヂジュースをグラスに注ぎ、
そのまま春の陽気に誘われるように、バルコニーへと足を運ぶ。

ほどよい甘さ酸っぱさと、外のきれいな空気によって体が完全に目覚めると、
ふと、昨日やりかけていた仕事を思い出し、自室のデスクへと向かう。

ゆったりとした背もたれに腰掛けつつ、デスクの上の書類を適当に片付けていると、
その中の書類に一つ、重要なミスを見つける。
デスクの横の受話器をおもむろに取ると、私は手慣れた手つきで担当者を呼び出した。

「お早う、私だ。広報部の卯月君に、最新の公開記事番号がずれていると伝えてくれ。
……そうだ。wander gardenの方だ。本文の方が全く反映されていないのでな。…うむ、よろしく頼む」

続いて、今度は別の人間に電話をかける。

「お早う、私だ。広報部の卯月君だが、一つミスをしていてな。
……ああいや、怒っているわけではない。彼女は彼女で忙しいだろうし、私は彼女を信頼している。
彼女も人間だ、多少のミスはあるだろう。今回のことは甘く見てやってくれないか。…ああ、よろしく頼む」

受話器を置き一息ついた私は、食事がまだだったことを思い出す。
窓越しに外を見上げた私は、今日は外で朝食をとってみようという素敵なアイデアを思いつき、
軽い足取りでキッチンへと再度向かったのであった。




朝っぱらからパソコンの前で黙々と文章を打っていた私は、ふぅと一息つくと、
ページの下の方の記事の設定の欄、投稿区分をしっかりと確認した後、「記事を保存」ボタンを押す。

シャットダウンをしています という表示を確認し、時計をふとみた私はとたんに慌て出す。
トースターの中のパンを取り出し口にくわえ、携帯、財布、MP3プレーヤーを装備。
鞄を持って大慌てで玄関の扉を開き、その眼前に広がる雨の世界へと駆けだしていった。

今日という日は、まだ始まったばかりなのである。



コメント

  1. Re: 卯月君、最近頑張っているそうじゃないか。

    チミチミ、最近頑張っているそうじゃないか。
    リンクを張っておいたぞ! これからも精進シタマエー。
    イザユケヨー。

  2. Re: サッサトイザユケ卯月君。

    これはこれは緑部長、お疲れ様です。
    へ?リンク? わ、私でよければ…光栄です。
    これからも精一杯精進させていただきます。

    では、鳥居ワープ攻略へとイザユケってきます。失礼しますっ。

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